Sharing - Baton Zone特別研究室/特別ユニット制度

中村特別研究室

主宰者
中村 振一郎(Ph.D.)
設置年度
2011年
研究内容

計算科学・計算工学には“最先端の理論”を踏まえること、“実現可能なモデル化と実装コード化”をおこなうこと、それによって“社会の課題解決につながる”という3条件を満たした技術構築と実践適用が必須です。私たちは、産業界で計算科学・計算工学を実践してきた技術者・研究者の集団です。民間企業の時間的・リソース的な制約を共有し、最短時間に最適解に到達するための実践的エンジニアリングをしています。

人工知能AIは最大限活用していますが、同時に「自然知能」という超難問に挑戦しています。それは天然光合成です。Mnクラスター錯体の分子レベルの作用機序は依然として未踏のまま残されています。これを量子力学に則って解明します。徹底的に生物に学ぶという基礎研究です。生物を生かして機能させている原理は、生体複雑系に特有な非決定論的な原理であり、現在の物質文明の人工的機械デバイスを律している決定論的な原理と根本的なところが違っています。機械にとっては構造的なゆらぎはノイズであり、誤差の要因ですが、生物は構造的な曖昧さやゆらぎを積極的に活用して機能しています。今後の環境とエネルギー問題そして健康にかかる問題の根本的な解決を目指し、35億年以上の生存(営業)実績を持つ自然知能をエンジニアリングにしたいと願っています。つまり、自然知能に習い、エネルギー(変換材料・水素・電極)、健康(信号処理)、そして環境(触媒、CO2課題)にまつわる民間企業の課題解決のために共同研究しています。