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REPORT

新しいONE TEAM紹介~持続可能な宇宙環境の維持を目指して~

チームリーダー

2020年4月1日から、4つのチームがBZPに加わりました。
この記事ではその内の1チーム、「衛星姿勢軌道制御用レーザー開発研究チーム」について、研究者からのコメントと併せてご紹介します。

宇宙空間で制御不能になった人工衛星等が増えていることは世界的に重要な課題です。この解決に向け、パルスレーザー照射で生じる微力な推力を利用して、制御不能になった人工衛星等を非接触で回転・移動させて安全に除去する衛星搭載用のレーザーアブレーションサブシステムの研究開発を進めます。

この研究開発は、スカパーJSAT株式会社を中心に、理研、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、名古屋大学、九州大学が連携して進めるプロジェクトの一翼を担います。
詳しくは2020年6月11日のプレスリリースをご覧ください。

現在は新型コロナウイルスの感染拡大に十分注意を払いながら、研究開発に取り組んでいます。研究の様子は今後、Future Navi でも紹介をしていきますので、お楽しみに!


衛星姿勢軌道制御用レーザー開発研究チーム

衛星姿勢軌道制御用レーザー開発研究チームについてはこちら


提案企業

スカパーJSAT株式会社

研究紹介

スカパーJSAT株式会社が2026年にサービスインを目指す、宇宙用レーザーを利用して、宇宙ごみ(制御不能になった人工衛星等)を除去・移動する衛星に搭載する宇宙用レーザーの開発を目指します。

福島 忠徳 チームリーダーから一言

制御不能になった人工衛星等は宇宙ごみとも呼ばれ、非常に大きな社会問題と認知されてきました。宇宙利用の活発化によって問題はより深刻になります。この課題を解決するためにレーザを使った衛星の設計開発に着手するのは世界初の試みとなります。このような宇宙用レーザの設計・開発は前途多難と思いますが、社会的な意義が非常に高い課題のため、是非実現したいと思います!

小川 貴代 副チームリーダーから一言

理化学研究所では長年にわたり、最先端の光量子研究が行われてきました。本プロジェクトで開発するレーザーは、宇宙空間という極限環境に対応できる高いレーザー技術の礎となり、今後の宇宙利用の安全に役立つものと期待されます。また開発の成果が、医療、産業、基礎研究など、社会基盤のさらなる向上にもつながるよう、研究開発を推進していきます。